近年、便利で注目を集めているポータブル電源。家庭、防災用、キャンプ、車中泊、フィッシング、現場での作業と用途も幅広くご購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、公認オートキャンプインストラクターであり、電機系資格(電気工事士、認定電気工事従事者など)を複数所持する筆者が、ポータブル電源の選び方をお伝えいたします。
この記事を最後までお読みいただければ、最もご自身に合ったポータブル電源をベストな方法で入手できること間違いありません。
わたしたち夫婦もポータブル電源を複数台所有し使用しています
ポータブル電源とは大容量バッテリーが内蔵した電源装置
出典:Anker Japan
ポータブル電源は、持ち運び可能な大容量バッテリーが内蔵した電源装置です。
スマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーのように小型で小容量ではなく、ある程度大容量で重量があります。スマホの充電だけでなく、家庭用の100Vの電源機器も使えるインバーター機能を内蔵している製品です。
日々手で持ち運ぶというより、車で運搬し、いろいろなシーンで使用できる電源装置だとお考え頂ければ宜しいかと思います。もちろんモバイルバッテリーの様にスマホの充電ができる他に、扇風機、冷蔵庫、調理器具などの家電製品も使用できます。
ユーザーの間では略して「ポタ電」とも呼ばれています。
ポータブル電源の容量の選び方
それでは早速、ポータブル電源の選び方をご紹介させていただきます。
容量別のイメージについて(容量・出力・重量)
ポータブル電源の容量はWh(ワットアワー)で表示されます。単純に考えると100Wの電球を1時間使用できる容量が100Whになります。スマートフォンを充電するモバイルバッテリーと比べるとかなり大容量の機器です。
ポータブル電源を容量別にイメージすると以下のような感じです。
- 小容量サイズ 容量200~500Wh 定格出力200~600W 重量3~5kg
- 中容量サイズ 容量500~1,000Wh 定格出力500~1000W 重量5~10kg
- 大容量サイズ 容量1,000~2,000Wh 定格出力1000~2000W 重量10~20kg
- 超大容量サイズ 容量2,000Wh以上 定格出力2000W以上 重量20kg以上
小型はエントリーモデル、中型はスタンダードモデル、大型はハイクラスモデル、超大容量はプレミアムモデルといった感じでしょうか。
200Wh以下はスマホのモバイルバッテリーのイメージですね
容量別での対応可能なシーン(イメージ)について
Jackeryのポータブル電源の容量・使用目的別説明資料を参考に選び方を解説さていただきます。
【出典】Jackery
小容量(小型)サイズ 200~500Wh
- 日帰りや1泊程度のキャンプ、バーベキューパーティー
- 数時間程度の停電対策
- スマートフォンや工具のバッテリーなどの充電
- 屋外での軽作業(洗車や日曜大工)
- キャンピングカー・車中泊仕様車のサブバッテリーの予備
- ソロキャンパー、ご夫婦でアウトドアに行かれる方など
288Whの容量を1泊のキャンプで使用しましたが、もう少し容量があったらいいなと思いました
<商品例>
中容量(中型)サイズ 500~1,000Wh
- 1~2日程度のキャンプ
- 1日程度の停電対策
- スマートフォンや工具のバッテリーなどの充電
- キャンピングカー・車中泊仕様車のサブバッテリーの予備
- ご夫婦、ご家族でアウトドアに行かれる方など
<商品例>
大容量(大型)サイズ 1,000~2,000Wh
- 2泊程度のキャンプ
- 1~2日程度の停電対策
- 大規模災害のための対策
- スマートフォンや工具のバッテリーなどの充電
- キャンピングカー・車中泊仕様車のサブバッテリーの予備
- 仕事・業務としての作業で工具を使用する
- ご家族でアウトドアに行かれる方など
経験談としては1500Whのポータブル電源で、消費電力65Wの家庭用冷蔵庫が約1日、6畳用エアコンが17時間運転することができました
<商品例>
超大容量(超大型サイズ) 2,000Wh以上
- 3日以上の長期のキャンプや車中泊旅
- 大規模災害のための対策
- 3日以上の停電対応
- 企業のBCP対策
- 屋外イベント(1日)で大容量の電気が必要な場合
- 仕事・業務としての作業で工具を使用する
- 複数台のスマートフォンや工具のバッテリーなどの同時充電
大容量・超大容量モデルはソーラーパネルと組み合わせるとより快適に使用できます
【ひとことアドバイス】
容量選びに迷ったら、ご自身の予算の許す限り大容量の製品を選択してください。「大は小を兼ねる」理論で大きい分には困りません。
重量別での運搬方法について
重さで考えると、小容量サイズは5kg以下で女性でも手で運搬可能、中容量サイズは10kg以下で男性なら問題なく運搬可能です。
大容量サイズ(15kg前後)になると男性でも重いと感じると思います。超大容量の20kg以上になると一人での運搬は困難で、大人二人や台車での運搬が必要になります。
※写真は小型サイズ(288Wh)になります。
定格出力(ワット数)のイメージについて
ポータブル電源には定格出力・W(ワット)という能力もありますが、こちらは容量のWhとは異なる能力単位で、その機器の最大にできる電力ワット数を表示しています。
定格出力は、使いたい機器の定格出力以上のものを選択する必要があります。
- 小容量サイズ 容量200~500Wh 定格出力200~600W
- 中容量サイズ 容量500~1,000Wh 定格出力500~1000W
- 大型サイズ 容量1,000~2,000Wh 定格出力1000~2000W
- 超大型サイズ 容量2,000Wh以上 定格出力2000W以上
例えば炊飯器(300W)を使いたい場合は小型サイズ以上、電子レンジ(500W)や電気ケトル(900W)を使用したい場合は中型サイズ以上、ドライヤー(1200W)や電磁調理器(1400W)を使いたい場合は大型サイズ以上など、ご自身が使いたい機器の定格出力以上の能力を持ったポータブル電源を選ぶ必要があります。
特に冷蔵庫、電磁調理器、ドライヤー、電子レンジなどのモーターやマイコン制御の機器は、メーカーの定格出力以上の能力が必要になりますので、余裕をもって1500W以上のタイプを選択する必要があります。
画像はJackeryの1500proモデルです。容量1512Wh、定格出力1800Wの大容量ポータブル電源です。
家庭用エアコンもドライヤーも冷蔵庫も問題なく運転できることが実機で確認できています。
ポータブル電源のメーカー選び
複数のポータブル電源ブランドの特徴・比較・おすすめポイント
各メーカーの特徴、性能、人気度などを徹底比較していますので。メーカー選びで迷っている方はこちらの記事をご参照下さい。
【Jackery】市場シェアナンバーワンのポータブル電源
【BLUETTI】リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの先駆企業
【YOSHINO】世界初!固体電池を搭載したポータブル電源を開発
【SABUMA】デザインにこだわる方におすすめのポータブル電源
【Enernova】安価で高性能なポータブル電源をお探しの方
【Anker】とにかく価格は気にせず高品質ブランドが欲しい方
世界No.1モバイル充電ブランドAnker(アンカー)が開発したポータブル電源です。
高機能・高品質・お求めやすさを追求したPowerHouseシリーズの中でも使いやすさと耐久性にこだわった最新の製品です 。
【約6倍の長寿命を実現したバッテリー】
安全性の高さと電池寿命の長さが特徴のリン酸鉄リチウムイオン電池の中でも特に高品質なセルを採用し、一般的なポータブル電源の約6倍の長寿命バッテリーを実現
【業界トップクラスの最大5年保証】
Ankerならではの長寿命ポータブル電源だからこそ、業界トップクラスの最大5年保証付き (2022年3月22日時点 Anker調べ) 。万が一、不具合が生じた場合も心配ありません。
アンカーのブランドは、キャンプ用品で表現すると一流メーカの「Snow Peak(スノーピーク」的な存在」です。持っていて恥ずかしいブランドではありません。高級志向の方におすすめのブランドです。
【EENOUR】安全安心な電力を提供する
【Litime】 LifePO4バッテリー製造メーカーのポータブル電源
LiTime ポータブル電源 320Whと100Wソーラーパネルのセットです。
予算別おすすめポータブル電源
【予算5万円以下】ポータブル電源おすすめメーカー・モデル
ポータブル電源の仕様(リチウム電池の種類)で決める
リチウム電池といっても多くの種類が存在します。その中でも近年注目されているのポータブル電源の種類は、安全で爆発や炎上の危険性が少ないリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiPO4)を採用しているメーカー増えています。
若干コストは高いですが、安全性を求めるならセル(電池)にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使用したポータブル電源をおすすめします。
コスト的に抑えたい方は、これまで各メーカーから多くのラインナップされている三元系のリチウムイオンバッテリーやその他のでも問題ございません。
安全性の高いリチウム電池の種類の順位
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiPO4)
- リチウムイオンポリマー系
- チタン酸系
- 三元系
- マンガン系
- ニッケル系
- コバルト系
今後、各社開発競争が進んでいくかと思いますが、現状ではリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiPO4)を採用しているポータブルバッテリーがおすすめです。
ポータブル電源はどこで買える?
ポータブル電源はどこで買えるの?とお悩みの方もいるのではないでしょうか。ポータブル電源は以下の実店舗やECサイトで販売しています。
- 実店舗(アウトドアショップ・ホームセンター・家電量販店)
- ポータブル電源メーカー公式サイト
- amazon、楽天市場などのショッピングサイト
ポータブル電源はどこで買うのが一番お得かは下部の「ポータブル電源をお得に購入する方法」をご参照ください。
キャンプ・アウトドア用品・車中泊グッズはどこで買う?
アウトドア初心者でキャンプギアを買いたいが、どこで買えばいいか分からないという方はこちらの記事をご参照ください。
保証延長機能があるメーカーもありますのでメーカー公式サイトで購入するのが最も賢い選び方です。
amazonプライムデーや楽天スーパーセールを利用するのも賢い方法です。
ポータブル電源をお得に購入する方法
公式サイトでのセール、amazonプライムセール・タイムセール・楽天スーパーセールなどいろいろな方法で入手することができますが、これまでの経験を踏まえどこで買うのが一番良いのか解説させていただきます。
いろいろ比較してみた結論としてはメーカーの直販サイトが一番お安く購入できます。理由としてはメーカーがアマゾンや楽天などのECサイトに販売手数料を支払わなくても良い分を、消費者に還元しているから価格が抑えられていると考えられます。
ポータブル電源のデメリット
ポータブル電源を購入するデメリットは、私自身特にないと感じていますが、強いて上げるなら以下のようなことがあるかと思います。
- 当然ですが、購入するためにお金がかかる
- それほど大きいものではないので問題ないかと思いますが、機器本体を置いておく場所が必要
- 使用しなくても定期的に機器の充電が必要(※バッテリーの寿命を縮めないように)
それ以外は特に思い当たりません。絶対に持っておいて損はしない機器です。
ポータブル電源の選び方まとめ
- 購入できるおおよその予算を決める(5万円・10万円・15万円・20万円以上)
- ポータブル電源の容量選び(使用するシーンに応じて)
- ソーラーパネルなどの拡張機能を導入するか検討する
- 購入するメーカーとモデルを決める
- (購入できる予算を再検討する)
- メーカー公式サイトやECサイトで購入する
- メーカーで購入した場合は、ユーザー登録して保証期間の延長登録をする。※メーカーによる
その他のアイテム
キャンピングカーや車中泊車のサブバッテリーをお探しの方
ポータブル電源ではありませんが、キャンピングカーや車中泊車用のサブバッテリーをお探しの方は以下の記事をご参照ください。
サブバッテリーの意味が分からない方はこちらの記事をご参照下さい。
【厳選】車中泊を楽しむためのオススメアイテム・グッズ
キャンプ・アウトドア用品・車中泊グッズはどこで買う?
アウトドア初心者でキャンプギアを買いたいが、どこで買えばいいか分からないという方はこちらの記事をご参照ください。
以上最後までお読みいただきありがとうございました。
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