昨今注目を集めているポータブル電源。使い道は様々ですが、それぞれの製品が持つ容量で果たしてどれだけの時間使用できるのか気になりますよね。
メーカーが公式サイトで公表している製品ごとの稼働時間についても、本当にその時間だけ使用できるのかも疑問があります。
- 1500Whタイプのポータブル電源がどれだけ使える容量か知りたい
- メーカーが公式サイトで公表している製品ごとの利用時間は本当に使えるのか?
- Jackeryのポータブル電源が気になっている
- ポータブル電源で家庭用のエアコンは動かせるのか?
- ポータブル電源をアウトドアや防災目的で購入を検討している
などなど、そんな想いやお悩みはございませんでしょうか。
この記事では電気工事や防災管理の資格を持つポータブル電源愛用者の筆者が、Jackery ポータブル電源 1500 pro(1512Whタイプ)の実機を様々なシーンで使用して、どの程度使えるのか検証した結果をお伝えさせていただきます。
「ポータブル電源」の説明は割愛し検証結果をお伝えさせていただきます。
検証に使用するポータブル電源はJackery 1500 pro
今回検証に使用するモデルは【Jackery ポータブル電源 1500 pro】(型番JE-1500B)です。定格出力1800W・容量1512Whのリチウムイオンバッテリーを採用したモデルです。
ちなみにJackeryの読み方は「ジャクリ」です。
Jackery 1500 proの仕様について
- 容量1512Wh、定格出力1800W
- 満充電時間 コンセントで約2時間、ソーラーパネル 200W×6で約2時間
- AC出力3ポート、シガーソケット1ポート
- USB出力:USB-A出力×2ポート、USB-C出力×2ポート
- 50/60Hz自動切換
- LEDライト付き
- ソーラーパネル接続可能枚数/最大6枚
- ソーラー入力W数:Max1400W
- サイクル数:2,000
- 保証期間:5年(3年+無料延長サポート2年)
Jackery(ジャクリ)というメーカーの特徴
【Jackery】は家庭用コンセント(AC)USBなど豊富な出力を装備しているポータブル電源を、開発・販売しているメーカーです。
ポータブル電源と言えば【Jackery】と、とても有名なメーカーです。ホームセンターなどの店舗でも常設で販売しているところもあります。
他社にもOEM(他社ブランドの製品を製造)を行っているように、安全・安心・信頼性の高いと評価されています。
世界累計販売台数が300万台を突破し、「独自調査の結果の国内市場シェアナンバー1メーカー」日本では最も知名度があるポータブル電源ブランドです。
Jackery 1500 proを実際に使用してみた
【防災目的】家庭用冷蔵庫を何時間運転できるのか?
災害で長時間停電した時に心配になるのが冷蔵庫に保管している食材ですよね。食料は命をつなぐ生命線ですので、冷蔵庫にポータブル電源でどれだけの時間電源を供給できるかを検証します。
まずは稼働時間シミュレーションから。
Jackeryの公式サイトの稼働時間シミュレーターで、冷蔵庫の定格電力を入力し稼働予測時間を算出。
シミュレーション結果は予測稼働時間19時間46分。果たして本当にその時間だけ運転できるのでしょうか。
続いて検証する環境は以下の通りです。
・自宅のキッチンにある家庭用冷蔵庫
・冷蔵庫スペック:全定格内容積157L(冷蔵庫103L・冷凍庫54L) 電圧100V 定格消費電力65W 2016年製
・検証日時:7月初旬 17:00開始 室内温度25~29℃
・冷蔵庫設定:冷蔵庫/弱、フリーザー/中
・冷蔵庫使用状況:夫婦二人で普段使いと同様
・ポータブル電源:100%の満充電状態から検証開始
早速、検証結果をお伝えします。
冷蔵庫稼働検証結果は23時間稼働し、シミュレーションの予測稼働時間19時間46分を上回りました。我が家ではこの容量(1512Wh)のポータブル電源があれば、約1日は電源なしで冷蔵庫が日常的に使用できるということですね。
冷蔵庫の運転を開始した直後、表示電力が一瞬770W(定格の約12倍)まで上がるのも確認しました。これは冷蔵庫のコンプレッサーが始動する際の突入電流によるものと考えられます。ポータブル電源の定格出力は1800Wですので、問題なく始動し運転開始しました。
ポータブル電源の本体ファンの音も全く気になりませんでした。
運転中は、ポータブル電源の表示部で0~75Wの電力を推移していました。
結果として容量1512Whのポータブル電源で、定格消費電力65Wの冷蔵庫を約23時間運転することができるということが分かりましたので、この容量があれば万が一停電が起こった際も安心ですね。
もっと長く使用したい場合は、より大容量のモデルや、ソーラーパネルも併せて購入することも検討した方が良いかと思います。
農林水産省から「食料品の備蓄は、災害発生当日に調理不要で食べられる1日分の備え、国などからの食料が届くまでの3日分の備え、食料の供給が滞る場合の1週間分程度の備えと、3段階で行いましょう。」という指針があります。
ポータブル電源を防災目的で購入する場合も、1日、3日、1週間の3段階で想定して購入を検討する必要があります。そのため、3日、1週間を想定する場合はソーラーパネルもセットで購入した方が良いと考えられます。
出典:農林水産省
【防災目的】家庭用エアコンを運転できる?何時間運転できるのか?
夏に停電してエアコンが使えなくなった場合を想定して、「ポータブル電源からエアコンに電源を供給して運転できる?何時間運転できるのか?」について検証してみました。猛暑でのエアコンの停止は、熱中症になる危険がありますからね。
検証する環境は以下の通りです。
・自宅(RC造)の6.0畳の一室で扉は閉めた状態
・使用するエアコン:電圧100V 冷房定格出力570Wの6畳用(冷房能力2.2Kw)2019年製
・6月某日、最高気温33.6℃、最低気温23.5℃
・冷房運転、設定温度28.0℃、風量自動
・在室人数 大人1~2名
・ポータブル電源は100%の満充電状態から開始
冷蔵庫の場合と同じくJackeryの公式サイトの稼働時間シミュレーターで、冷房の定格電力を入力し、稼働予測時間を算出。シミュレーション結果は2時間15分でした。さて本当にその時間だけ運転できるのでしょうか。
検証結果は以下の表のとおりです。
外気温データ出典:気象庁各種データ・資料
なんと!!!6畳用のエアコンが17時間運転できました。
運転直後は外気温や室内温度の関係もあり、部屋を冷やすため大きな電力が必要でしたが、その後徐々に消費電力は下がっていきました。
時間の経過とともに外気温も下がっていますので、ポータブル電源の残量がなくなる頃は、エアコンはほぼ送風状態(消費電力5W)に切り替わっていると考えられます。
結果として、容量1512Whのポータブル電源で、約17時間エアコンを運転、室内の温度はほぼ一定に保つことができました。公式サイトの稼働時間シミュレーターの結果を上回りました。
※実際に使用できる時間は、季節、外気温、部屋の広さ、エアコンの出力によって異なります。
単純計算で3~4時間運転できる程度と思っていましたが、想像以上の結果でした。
エアコンの運転を検証して、あと一つ分かったことがあります。
エアコンの効いた室内でポータブル電源を使用すると、ポータブル電源本体の温度も下がり、本体に内蔵しているファンは稼働しませんでした。つまり、ファンの音が気にならず安眠できるという点が新たな発見でした。
Jackery ポータブル電源 1500 proの充電速度は?
ポータブル電源は充電速度も気になるところですよね。
家庭用の100Vコンセントにコンセントをつなぎ残量ゼロの状態から充電したところ、1時間で80%、2時間で100%まで充電が完了しました。これはポータブル電源としてはかなり早い充電速度です。
メーカーが公表している「最速2時間の高速充電」は本当でした。1500モデルから進化した1500 Proモデルはこれまでの4倍の充電速度を持っています。
ポータブル電源を持って出かける際は2時間前に充電開始すれば、満タンになりますので慌てることはありません。
またこちらのモデルは、充電回路が内蔵されていて充電中ファンが回って放熱する機能を持っています。他メーカーでは充電器が外部接続で、充電中に充電器が熱々になるという製品もありますので、充電器が内蔵していて放熱する機能を持っているのはジャクリのメリットですね。
Jackery ポータブル電源 1500 proの評判は?
公式サイトのレビューでは5点満点中5点と購入された全ての方が満足という回答をしています。
私自身の実機を使用した感想としては、ポータブル電源としての様々な機能も問題なく動作し、容量も大きい、充電速度が早い、充電器内蔵、本体ファンが静音、持ち手が持ちやすい等、文句のつけようがないポータブル電源でした。
今回新たなモデルを使用してみて改めてジャクリが人気な理由が分かりました。YouTubeでのユーザー評価も高く、信頼できるメーカーですので皆さんに自信を持ってオススメできます。
唯一のデメリットとしては、若干重い(約17kg)という点ですが、この容量のサイズになるとどのメーカーも重さはほとんど変わりません。
若干重いですが、成人男性の私は一人で両手なら運べます
私は一人なら両手で持ち上げるのが精一杯かな
Jackery ポータブル電源 1500 proの特徴
「Jackery ポータブル電源 1500 pro」は「ポータブル電源 1500」に高速充電を実現するUltra-Charging Systemを搭載した新しいモデルです。
今回試した製品の他にも、ホットプレート、電気ケトル、ドライヤーなど、マイコン制御の自宅の家電がほぼ全て使用できます。キャンプ、車中泊を快適に過ごせ、防災目的としても有用な製品です。またソーラーパネルがあれば、停電になっても太陽光で電気が確保できますね。
その他、以下のような特徴があります。
- 定格出力は1800Wの高出力なため、電子レンジ、電気ケトルなども使用できる。
- 寿命は2,000サイクルと長寿命化
- 自然放電が少なく、80%の電池残量で472日間保管することができる
- 落下に耐える耐衝撃設計、耐火素材を採用することで、業界をリードする安全性を実現
- 特許取得済みのマルチダクト設計によって従来モデルより冷却効率が30%向上
- 5年間の長期保証 ※公式サイトからユーザー登録が必要
Jackery 1500 proはいくら?どこで買える?
Jackery ポータブル電源 1500 proは公式サイトの他、Amazonや楽天市場でも購入できます。メーカー標準価格¥199,800(税込)となっていますが、セール状況により変動しますので、最新価格や最新情報は以下からご確認下さい。
メーカー公式サイトで買うと「5年間の長期保証」が受けられますので最もお買い得です。実機を使ってみて感動したからこそオススメできる商品です。
以上、Jackery ポータブル電源の実機レビューをさせて頂きました。皆様のポータブル電源選びのご参考になれば幸いです。
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