キャンプなどのアウトドア、リモートワーク、防災など様々な目的で購入されているボータブル電源。年々進化を続けているポータブル電源ですが、この度世界で初めて固体電池を採用したポータブル電源が発売されました。
- 現在、ポータブル電源を買おうと検討している
- 最新のポータブル電源情報を知りたい
- 新たに発売されたYOSHINOの固体電池ポータブル電源が気になっている
- 固体電池のポータブル電源の感想や評判が知りたい
そんな想いはございませんでしょうか。
この記事では、普段から複数台のポータブル電源を愛用している筆者が、世界で初めて固体電池が搭載されたYOSHINOのポータブル電源の実機を実際に使用した結果をレビューさせていただきます。
結論としては、YOSHINOの固体電池搭載のポータブル電源は、これまでの製品に比べて非常に安全性が高く、軽量でデザインもスタイリッシュ、どのような用途にもおすすめできるポータブル電源です。
YOSHINO 固体電池ポータブル電源の特徴
YOSHINOは最先端の固体電池技術や最新のリチウムイオン技術を活用し、革新的な固体電池ポータブル電源とソーラーパネルを開発。
YOSHINOの固体電池は、絶対的な安全性、コンパクトさ、効率性を兼ね備えています。
固体電池技術のリーダーとして、二酸化炭素排出を抑え、再生可能エネルギーを活用することでSDGs(持続可能な開発目標)への実現へ向け取り組んでいます。次世代の進化したポータブル電源にはそんなYOSHINOの想いが込められています。
YOSHINOのポータブル電源のラインナップ
YOSHINOのポータブル電源のラインナップは4種類です。AC出力300Wから3300W、容量241Whから2611Whまでの幅広いラインナップで様々な選択肢があります。
この記事でレビューする製品は【B600 SST】で容量602Wh、出力600Wの中型サイズの固体電池ポータブル電源です。
型番 | B300 SST | B600 SST | B2000 SST | B3300SST |
容量 | 241Wh | 602Wh | 1326Wh | 2611Wh |
サイズ(cm) | 25.5×15.6×24.2 | 29.6×20.4×25.6 | 44.5×21.8×23.1 | 54.3×26.0×24.0 |
AC出力 | 100V×2ポート | 100V×3ポート | 100V×4ポート | 100V×2ポート L630R×1ポート |
重量 | 4.5kg | 7.7kg | 14.2kg | 24.3kg |
充電 | DC充電・100W PD 60W充電 |
DC充電・120W PD 100W充電 |
AC充電・1500W | AC充電・1500W |
ソーラー充電 | 100W対応 | 100W対応 | 600W対応 | 600W対応 |
UPS機能 | × | × | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | × | × | ○ | ○ |
【各タイプ共通スペック】
機能 | 詳細 |
電池タイプ | 固体電池 Li-NCM |
サイクル寿命 | 4000回以上 |
保証期間 | 5年 |
USB出力 | USB-A×2、USB-C(20W)×1、USB-C(100W)×1 |
DC出力 | 12V×2 |
アプリ対応 | ○ |
LEDライト | ○ |
車載充電器 | 120W |
サイクル寿命が4000回以上は他社の製品と比べ驚きの寿命です。
長く使える製品という点でも安心ですね。
YOSHINOとはどんなメーカー
YOSHINOは世界で初めて固体電池を搭載したポータブル電源を開発し、現在も世界唯一の固体電池ポータブル電源のグローバルブランドです。北中米を中心に展開しているブランドで、2023年になって日本での販売を開始しています。
世界初の固体電池ポータブル電源 最速レビュー
商品が届いた時の状態から開封まで
ポータブル電源の外箱は段ボール(120サイズ)に梱包されて届きます。商品のパッケージを開封すると取扱説明書とケーブル類が内箱上部に収納されています。
ポータブル電源本体はビニール製の袋に入れられ、上下をスポンジ状のクッション材に挟まれ保護されています。
運送時の振動や落下時の振動にも耐えられるように丁寧に梱包されていました。
外観はとても魅力的なデザイン
ポータブル電源本体のカラーは、アンティークグリーンとグレーを基調としたレトロ調の配色。黒色を基調とするポータブル電源が多い中、このデザインはとても魅力的だと思います。
本体形状も全体的に丸みを帯びた優しい感じの印象を受けるデザインです。
ボタンの操作性は「電源はこのボタン」、「USBを使う場合はこのボタン」、「AC電源を使う場合はこのボタン」という風に直感的に操作できるようになっています。
AC電源のポート周辺の広さや間隔が適度で、大きめのACアダプターも問題なく差すことができる配置になっています。本体の背面にはソーラーパネルとAC(DC)充電ポートがあります。
コンセントの間隔が狭いと、大きめのAC/DCアダプターが差せないことがあるよね
本体には冷却ファンが内蔵されていて、本体に正面に向かって左側が吸気口で右側が排気口という仕組みになっています。
手持ち部分のグリップの下側には、シリコン素材が使われていて手に優しく持ちやすい配慮がされています。
付属品は写真の通り、シガー出力ケーブル、シガー充電ケーブル、 ソーラー充電ケーブル、AC~DC充電アダプターです。
シガーソケット出力が付属ケーブル対応となっているポータブル電源は珍しいですね。
正直なところ、シガーソケット出力はこれまでほとんど使ったことがありませんので、この仕様はアリかと思います。
固体電池ポータブル電源B600 SSTの実機を使ってみた
家庭で一日ポータブル電源を使ってみた
自宅にある家電製品で丸一日、固体電池ポータブル電源B600 SSTを使用してみました。使用した機器の詳細は以下の通りです。
- AC出力 扇風機(定格40W)風量小で連続運転 × 11時間
- AC出力 空気清浄機(定格43W)風量自動で連続運転 × 13時間
- USB-C タブレット端末(iPad)充電 × 2回
- USB-A スマートフォン充電 × 2回
- スマートウォッチ充電 × 1回
- 本体LED照明点灯 × 1.5時間
以上の機器を使用したところ、残量4%ととなったため本体を手動で停止しました。602Whの容量があり、多くの機器の運転や充電ができましたので、容量的にも機能的にも全く問題ありませんでした。
複数機器の同時使用で、パネル表示部の最高ワット数は80W程度でした。
日帰りデイキャンプでポータブル電源を使ってみた
ポータブル電源を持って日帰りのデイキャンプに出かけました。使用した機器の詳細は以下の通りです。
・USB-A スマートフォン充電 × 2台分
・USB-A ポータブル扇風機(定格3W) × 8時間
・USB-C タブレット端末(iPad)充電 × 1回
やはり屋外で電源が使用できるのは便利ですね。スマートフォンやタブレットなどで充電しながら動画を見て過ごすことができるなど遠慮なく電力を使えます。USB式の扇風機もありましたので、昼の暑さも気にならず、涼しい時間を過ごすことができました。
満充電の状態から日帰りデイキャンプ(8時間)で使用して、残量の表示は75%でした。まだまだ残量がありましたので、602Whの容量は1~2泊程度のキャンプでも十分な容量です。
夏場なら小型の冷蔵庫、冬場なら電気毛布なども併用して使える容量がありますね。
ポータブル電源 B600 SSTを家庭用電源で充電してみた
家庭用のAC100VにDC充電器を接続し充電を開始するとディスプレイが点灯し充電アイコンが点滅します。表示面にはINPUTに112~114Wで充電されていることと、充電完了までの残り時間が表示されます。
充電中は常時内蔵されたファンが動作し、本体の熱を放出してくれるため、本体が熱くなるということはありません。
ただし、DCアダプターはそれなりに熱くなります。※この「DCアダプターの熱」は、どのメーカーのポータブル電源でもありがちな現象です。
充電完了までの残り時間が表示されるのがありがたいですね
ポータブル電源 充電時と使用時のファン音について
本体ファンの風量は負荷や周囲温度に合わせて動作します。ファン音については強風・弱風の2段階の様で、弱風の音は全く気になりませんが、強風の場合は少し大きめの音がします。
騒音アプリで比較した結果は以下の通りです。
写真中央が、ポータブル電源から30cmの距離でファン音(強)の場合の音量を測定した値です。部屋でテレビを見ている状態でしたら、ほとんど気にならない程度の音量です。
本体充電中は、常時ファンは強風で操作し、ポータブル電源の出力使用中は強風・弱風の2段階で自動切替で動作します。出力が低い場合(50W以下)でも強風で本体を冷却していることが多かったです。
※ファンの音量の感じ方には個人差があるかと思います。
ポータブル電源の充電時間(0-80%)はAC充電で約4時間
ポータブル電源の実際の充電時間について、実際に充電してみてどれだけの時間がかかるかを検証してみました。結果は以下の通りでした。
【ACアダプター充電(DC充電)】
INPUT表示は112Wで、80%までは4時間18分、100%までは5時間10分
上記は残量5%以下からの状態から2回充電した際の平均値です。充電時間(充電速度)の結果は他社のポータブル電源と大きくは変わりませんでした。
パススルー充電は可能か?
本体の充電と放電(出力の使用)を同時に行うパススルー充電は可能です。取扱説明書にもその記載があります。※パススルー充電は電池の劣化を早める恐れがありますので、一般的には推奨されていません。
スマートフォンアプリの操作性
続いてはスマートフォンアプリの操作性です。
スマートフォンに「YOSHINOアプリ」をインストールすると、ポータブル電源の状態や充電残量、稼働時間、設定が操作できるようになります。
実際にアプリの画面はこのようになります。アプリの操作性や視認性も良く、入力や出力の状態、電池残量、周囲温度などが把握できます。
またアプリを操作して、本体の照明をつけたり消したり、AC入力のON/OFFも可能ですので、スマートフォンがリモコン替わりになります。
充電完了までの時間は、アプリで確認すると分数まで表示されるので便利です。
YOSHINO固体電池ポータブル電源の重量を他社と比較
固体電池というと、どうしても重量が大きいのではないかと考えがちですが、YOSHINO B600 SSTポータブル電源を例に、これまでに販売されている他社メーカーとの比較を以下の表にまとめましたのでご確認下さい。
メーカー | YOSHINO | A社 | B社 | E社 |
容量 | 602Wh | 512Wh | 537Wh | 576Wh |
定格出力 | 600W | 500W | 700W | 600W |
重量 | 7.7kg | 7.6kg | 7.5kg | 7.7kg |
Whあたりの重量 | 12.7g | 14.8g | 13.9g | 13.3g |
電池タイプ | 固体電池 | リン酸鉄 | リン酸鉄 | リン酸鉄 |
YOSHINOのポータブル電源は、Whあたりの重量で比較して分かるように軽量な製品です。容量が大きいのにもかかわらず、重量はほぼ変わりません。
つまり固体電池はこれまでのリン酸鉄リチウムイオン電池より軽いということがお分かりいただけるかと思います。
YOSHINOのポータブル電源はこんな方におすすめ
YOSHINOのポータブル電源はこんな方々におすすめです。
- 最新で安全性の高いポータブル電源が欲しい方
- 家電製品のデザイン性にこだわっている方
- より軽量・コンパクトで持ち運びやすいポータブル電源をお探しの方
- 節電、キャンプ、防災などあらゆる面で使用できるポータブル電源が欲しい方
YOSHINOのポータブル電源は、業界最高水準の5年間保証や充電しながらの使用もできるパススルー機能も付いていて、安全性も高く軽量の固体電池搭載のポータブル電源です。
YOSHINO B600 SSTの価格は?どこで買える?
YOSHINOの固体電池ポータブル電源は、楽天市場、amazonで販売開始しています。
最新の固体電池技術を採用し安全性も高く、スタイリッシュなYOSHINOの最新ポータブル電源をいち早く購入したい方は、以下の販売サイトのリンクより価格や仕様などをご確認下さい。
リチウム電池の種類の推移・固体電池の特徴
ポータブル電源に採用する電池の種類は、これまで【三元系のリチウム電池】が主流になっていましたが、2020~2023年にかけて、各社がこぞってより安全性の高い【リン酸鉄リチウムイオン電池】を採用してきました。
そして2023年10月に、YOSHINOがコンパクトでエネルギー密度の高い【固体電池】を採用したポータブル電源を開発し販売開始。
年々リチウム電池の進化を感じると共に、今後の固体電池の可能性や採用の広がりを感じさせる予感がします。
固体電池ポータブル電源の利用者の体験談や評判は?
最新機器のため、YOSHINOのポータブル電源の評価や評判はほとんど確認できませんが、私自身が使った感想としては、以下のような点が挙げられます。
YOSHINO ポータブル電源 B600 SSTのメリット
YOSHINO ポータブル電源 【B600 SST】を使って感じたメリットは以下の通りです。
- 【機能面】ポータブル電源として直感的に操作でき、機械音痴の方でも安心
- 【容量】602Whの容量はポータブル電源の中では中型のサイズで、アウトドア、防災、仕事などのあらゆる面で使用できる
- 【スタイリッシュ】デザインや色味がレトロスタイルでかわいい
- 【固体電池の安全】目には見えないが、固体電池採用で安全性が高い製品であること
- 【保護機能】温度上昇や過電圧に対する保護機能が付いている
- 【軽量】これまでのリン酸鉄リチウムイオンを採用した機器と比べて軽量
- 【アプリ】アプリの表示が分かりやすく、Wi-fi環境があればスマートフォンで遠隔操作できる
- 【拡張機能】別売りのソーラーパネル充電に対応している
様々なメリットを感じましたが、やはり世界初の固体電池採用という安全性と、デザイン性が優れている製品という点が一番のメリットと感じました。
YOSHINO ポータブル電源 B600 SSTのデメリット
YOSHINO ポータブル電源 【B600 SST】を使って感じたデメリットは以下の通りです。
- 【アプリのインストール】AndroidのスマートフォンでYOSHINOアプリをインストールしたところ、画面がスクロールできずユーザー登録ができなかった。→別途タブレット端末でユーザー登録したところ、Androidのスマートフォンでもログインでき使用できるようになった。
→妻のAndroidのスマートフォンでは問題なく登録できましたので、この辺りは機種によるところもあるかもしれません。 - 【アプリの接続】Wi-fi環境がないと、アプリが使えない。
- 【ファンの音】AC出力が低い場合(50W以下)でも、本体の冷却ファンが強風で作動する場合がある。
- 【AC出力】電子レンジやドライヤーなど高出力の家電製品を使いたい場合はもうワンランク上のモデル【B2000 SST】を選ぶ必要がありあります。
そんな点が私たち夫婦が気になった点です。
ワンランク上のモデル【B2000 SST】の情報は以下でご確認下さい。
以上、業界初の固体電池を採用したYOSHINOのポータブル電源B600 SSTの実機レビューでした。皆さんのポータブル電源選びのご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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